京葉線・りんかい線相互直通運転の実現に向けて
浦安市民の足として欠かせない京葉線の新浦安駅、舞浜駅が開業して今年で30周年を迎えます。
この「真剣勝負」を今、京葉線の中で読んでいただいている方もいるかもしれません。
ところで、現在、京葉線と新木場駅が始発となっている、りんかい線を相互に乗り入れて直通運転にしようという動きがあるのをご存知でしょうか。
京葉線とりんかい線の相互直通運転が実現すれば、新宿方面へ行くのに今は東京駅で中央線に乗り換えて行く方が多いと思いますが、乗り換えなしで新宿方面まで行くことができます。さらに京葉線は蘇我駅から先は外房線、内房線に乗り入れていますので東京、埼玉方面から千葉の観光地に直結させることができます。
このように京葉線の沿線住民の利便性が向上し、千葉県の観光振興にも役立つのですから、相互直通運転を実現させない手はありません。加えて京葉線とりんかい線の線路は新木場駅で接続されており、線路をつなげるための新たな設備投資は必要ないのです。ここまで書くとすぐにでも実現できると思われるかもしれませんが、実はいくつかの問題があって実現への動きが膠着状態になっています。
大きく2点有ります。1点目は相互直通運転を行うと乗車経路が把握できず正しい運賃が収受できないことです。これはりんかい線の運行区間が新木場駅から大崎駅までですが、例えば新浦安駅から新宿駅まで行く時に、本来、東京駅経由でのJR運賃でも、りんかい線で行けてしまいます。この場合、りんかい線区間の運賃が取れなくなるという問題です。2点目は京葉線の朝のラッシュ時の線路容量はほぼ限界の状況であり、これ以上増便するためには、複々線化等の大規模投資が必要になることです。
これらの問題解決が容易では有りません。運賃収受方法については現在の技術ではできませんので新たな判別技術が必要です。また線路の複々線化も千葉県の試算では約1,100億円もの投資が必要とされています。しかし、手をこまねいているわけにはいきませんので、千葉県としても国やJR東日本、東京臨海高速鉄道に対して要望活動をしています。県議会としても今月、超党派で「千葉県議会京葉線・りんかい線相互直通運転推進議員連盟」を立ち上げ、関係機関への強力な働きかけをしていきます。
私も県議会の中で、相互直通運転については質問、要望、提言を続けています。現在、6月定例県議会が行われていますが、今回も一般質問の中で、複々線化の設備投資について全額JR東日本が負担するのでは実現しないだろうから、千葉県が主体となって少しでも千葉県、東京都、沿線自治体で負担する枠組みを作るべきということと、森田知事とJR東日本社長のトップ会談を行うべきとの提言をしました。私としては交渉に対して消極的なJR東日本に何とかして交渉のテーブルについて欲しいとの思いからです。
また、私の所属する会派「千葉民主の会」の代表質問では、2020年の東京オリンピック・パラリンピックの時に会場を結ぶ特別便を運行すべきとの提案をしました。これによって競技会場の多いお台場から幕張メッセのある海浜幕張、さらにはサーフィン会場となる一ノ宮まで一本で行けるようになり観光客の利便性は高まります。
そして、何と言っても特別便に乗って貰って利用者に相互直通運転の利便性を実感して貰うことが重要だと考えています。京葉線・りんかい線の相互直通運転実現に向けては、まだまだ課題は多いですが、実現した時のメリットは大きいものが有りますので、私も実現に向けて引き続き努力して参ります。
平成30年6月27日
矢崎 けんたろう