野田市児童虐待死亡事件
先月24日、野田市で小さな命が絶たれました。
小学4年生の女の子が自宅で死亡し、両親が傷害容疑で逮捕されました。この事件では、父親による虐待の疑いがもたれています。子を持つ一人の親として、胸が締め付けられる思いを抱くとともに、亡くなられた女の子のご冥福を謹んでお祈り致します。
さて、現在、2月定例県議会が開催されていますが、この問題が議論の中心となっています。14日から18日まで行われた代表質問でも、6会派すべての質問で取り上げられ、その後の一般質問でも多くの議員が取り上げています。
森田知事も答弁の中で「大切な命を守り切れなかったことは痛恨の極み」と発言しています。
そのうえで、県が打ち出した対応策は、第三者による検討委員会を設置して、これまでの再発防止の取り組みや関係機関の連携など対応の問題点を検証することです。
この検証委員会のメンバーは、学識経験者、医師、小学校長会の役員ら8人で第1回の会合を二21日に開きます。
その他にも、組織体制の強化として、児童相談所の職員を増員することや、「子ども虐待対応マニュアル」の3月末までの改定、さらに、県警との連携を強化するために、情報協定の見直しを打ち出しています。
今回の事件は、森田知事も「結果として命を救うことができず、児童相談所の判断に多くの課題があったものと認識している」と発言している通り、児童相談所が1年以上前から関与していたにもかかわらず救えなかったこと、一時保護解除後、児童相談所や学校が一度も自宅訪問をしていなかったこと、母親もDVを受けていた可能性を児童相談所が把握していたのに調査が不十分だったこと等、何故そうなったのか、何故そうできなかったのか、検証しなければならないことがたくさんあります。
これまで、虐待による児童の死亡事件については、事件のたびに、関係機関において対策強化が図られてきていると思いますが、残念ながら後を絶ちません。
千葉県においても平成26年11月に市原市で生後8か月の男児が父親からの暴力により死亡した事例は、記憶に新しいところであり、昨年5月、社会福祉審議会の検証報告書がとりまとめられました。そこには幾つかの提言が有り、県もその提言を取り入れて新しい施策を行いつつありました。
それだけに県が、市原の事件以降、もっとスピード感をもって取り組む必要があったのではないか、い考えます。
いかなる理由があろうとも、子供たちの命は絶対に守らなければなりません。今後、二度とこのような痛ましい事件が起きないように、県の取り組みを注視しつつ、県に対しても市民の皆さんや現場の声を聞きながら、提言をしていきたいと思います。
平成31年2月20日
矢崎けんたろう