今週火曜日、東京都文京区の「窪町小学校」を視察しました。
「窪町小学校」は、大正15年創立の歴史ある学校で、校舎の全面改築(平成18年竣工)を機に、安全と防災力を備えた学校施設として生まれ変わり、「地域の防災拠点」となっています。
どの自治体でも、公立学校が避難所に指定されており、学校が地域の防災拠点であるのは、当然のように思われるかもしれません。
事実、全国の市町村立小学校の約94%は指定避難所なのですが、災害時に避難所として機能する備えができている学校は、さほど多くないのが現状。防災用品の備蓄すらしていない学校がほとんどです。
窪町小学校では、
1.災害備蓄倉庫を地下に設置し、食糧や毛布、簡易トイレ、救助用具などを備蓄(写真)
2.校庭の下水管路の上にマンホールを設置し、簡易トイレ化に対応
3.屋上に設置したプールは、屋根付きで年間を通じて水を貯留。
プールの水位は調整のために排水した水は、地下タンクに貯留。
災害用水を確保
4.井戸と簡易浄化装置を設置
5.校庭に設置したベンチは、座板をとるとカマドになる
6.非常発電装置の整備
7.学校給食は自校調理であるため、食品と調理員を確保できている
8.温水シャワーを設置してあり、避難者が利用できる
9.全館空調であるため、真冬・真夏の室温維持が可能
10.広域避難場所である隣接公園に面して、避難しやすい広い昇降口を設置
11.夜10時の夜間まで、警備員を配置しており、いざという時も対応
と、全面改築によるハード面の備えと、施設運営におけるソフト面、両面から災害に備えています。
また、校内は、日常の学校活動において、いかに児童の安全を守るかを主眼に周到に設計されており、それが避難所となった際には、お年寄りや乳幼児の安全につながります。
実際、3月11日の震災時にも帰宅困難者の避難所となり、その機能を発揮したそうです。
避難所としての学校のモデルケースであると同時に、安全教育やバリアフリー教育、防災教育など、特色ある教育活動にも結び付いており、大変興味深い事例でした。
千葉県でも、こうした取り組みを推進していくよう、提言して行きたいと思います。