明日の一般質問の準備で、あわただしい毎日です。
一般質問は、登壇して質問をするだけのように思えますが、実際は、その前にさまざまな下準備があります。
当局のヒアリング、原稿書き、そして、情報収集、現場視察…。
このうち、一番大切なのは、なんといっても情報収集と視察です。現場や関係機関に足を運んで、目や耳で情報を集めてくることは、とても重要だと思います。
さて、先日、少子高齢化問題についての質問準備のため常盤平団地を視察したことをご報告しましたが、同じく今回の一般質問で取り上げる三番瀬問題については、環境省と市川市に行って話を聴いてまいりました。
環境省を訪ねたのは、先月26日。ラムサールネットワーク日本の柏木氏に、三番瀬をラムサール登録することに対する関係機関の見解や、これまでの経緯などを聴くことができました。
基本的には、各関係機関ともに、ラムサール登録をするということでは、一致しているとのこと。民主党も、ラムサール登録を行い、市民が親しめる場として、三番瀬を保全して行こうという考え方です。
国としては、半年後のルーマニア会議までに、あと6か所のラムサール登録を目指しており、三番瀬は、最有力候補のひとつととらえており、積極的な姿勢が伺えました。
登録に向けた議論が進まない原因は、地元市や漁協、市民団体等のコンセンサスが得られていないことであり、県の積極的な関与を期待しているようでした。
そして、今日は、市川市の見解を聴いてきました。
市川市もラムサール登録に関して、全面否定している訳ではありません。
今年8月にも「三番瀬の自然環境や漁場の改善・再生などのための具体的な計画が示され事業が進められること、併せて利害関係者の合意が得られることを前提にラムサール登録を進める」と、公式な回答を出しています。
しかし、先の9月に開催された再生会議で、「今年12月の再生会議までに、千葉県が登録範囲も含めて、地元の考えが一致するよう調整を図るように」と意見があったにも関わらず、県は、いまだ、協議などの申し入れをしていないとのこと。
市川市では、三番瀬が、自然環境や漁場環境としても、また市民が親しめる海辺という意味でも、課題があると認識しており、具体的な再生計画がないまま、ラムサール登録することで、そうした課題を解決しないまま手をつけられなくなることに、危惧を抱いているようでした。
これまで、様々な方々とも三番瀬について、意見を交換してきましたが、どうも、ラムサール登録により、漁業ができなくなるとか、市民がまったく立ち入ることができなくなると思っている方が多いようです。しかし、ラムサール条約では、そのような縛りはありません。
私としても、今のままの状態が、三番瀬の保全に必ずしも良いことではないと考えており、きちんと保全の計画をたて、合意形成を図って行くべきだと思います。
そして、その役目を担うのは、県なのです。三番瀬再生に積極的だった堂本知事は、結論を出せぬまま県政を去りました。この後、バトンを引き継いだ森田知事は、どうもこの問題について、関心が高くないように思えます。
いずれにせよ、三番瀬をこのままにしておくことは、三番瀬の豊かな自然を守る意味でも好ましいとは言えず、また市民にとって「近くにあるのに遠い海辺」であり続けることになります。
絡まった糸をたぐり、ほぐし、最終的に同じゴールに導いていく、その役目を県が果たして行かない限り、この問題の解決はあり得ないと考えています。