9月議会がはじまっています。
今日は、商工労働企業常任委員会で、付託されている議案や所轄する事業などに関して、質疑を行いました。
以下、質疑内容をご報告いたします。
1.企業庁新経営戦略プランの改定について
企業庁では、平成24年度末の土地造成整備事業の収束と工業用水道の効率的な事業運営を行うことを目的に、新経営戦略プランを策定しています。2008年のリーマンショック以降、不動産市況は動きが緩慢になり、昨年の土地売却収益は、企業庁の見込みを136億円も下回る結果となりました。今回の改定は、現在の市況と大幅なずれを生じているこれまでの経営戦略プランを見直し、より実態にあった実行力のあるものにしていかなければなりません。
8月の行政改革推進委員会では、この新経営戦略プランについて、「収支見通しの分譲収入については、最悪のケースを想定して対応を考えておくべきである」という指摘を受け、企業庁は「分譲収入が最悪のケースを想定すると、資金ショートもありえるが、他会計貸付金や出資金等による対応も考慮し、常に、下振れに対するリスクに対応できるよう、対策を考えておくこととする」と、最悪のケースに対する考えを表明しています。
そもそも新経営戦略プランは、厳しい経済状況を前提に策定されているはずですので、資金ショートとは、どういう場合を想定しているか質疑しました。
「資金ショートしないように最大限努力するが、土地分譲は、景気に左右されやすく、収入が落ちる可能性もあることから、そうした場合の危機管理として、財源手当てを考えておく必要がある。その選択肢として、基金や他会計貸付金などの活用で、土地分譲の変動リスクを抑えようと考えている」
という回答でした。
最悪のケースを想定するのは、経営にとって必要なことですが、厳しい県の財政に頼る事態にならないよう、注視していきたいと思います。
2.かずさアカデミアパークについて(議案第14号 権利の放棄について)
9月議会に、民事再生手続中の株式会社かずさアカデミアパークの再生計画案に同意し、県の債権を全額放棄する議案が提出されています。放棄額は、県が同社に出資した35億円と24億円を超える債権の弁済免除の約60億円。
経営破たん状態だったかずさアカデミアパークに決着をつけ、県民の負担をこれ以上長引かせない決断であるものの、こうした事態を招いた県の責任は、いまだ総括されていません。
そこで、県の責任について考えを聞きました。
「経済状況の激変などを考えれば、過去の責任を問うことは難しい。こうした事態になったことは申し訳ないが、同社を再生させて、地域の交流拠点になるよう努めて行くことが、今の県の責任と考えている」
という答弁。
納得できません。私は、犯人捜しをしろと言っているわけではなく、県の責任について、しっかり総括をして再発防止に努めるべきであると、一貫して主張してきています。しかし、知事も担当課もどこか他人事のような姿勢が垣間見え、原因は「経済状況の変化」というばかり。経済状況が変化(バブル崩壊)したのは、1990年代のはじめ。今から20年も前のことです。その間、経営の抜本的な改善や計画自体の見直しに手をつけることなく、県税を垂れ流しにし続けてきたことは、大きな県の贖罪なのです。
かずさアカデミアパークの経営破たんは、外郭団体に対する県のこうした姿勢が問われるものであり、その責任を認め、反省にたった上で、再生という道のりを歩んで行くべきと考えます。
民営化後も5年間は、同社に対して支援を行うとしており、土地使用料の減免や県立ホールの指定管理者の継続が行われることになっています。5年後も、軌道に乗っていなければ、こうした支援を、再び続けることになりかねません。
それを指摘し、県への依存をなくした真の「再生」を行うよう、要望しました。
また、こうした事態になっても、いまだ抜本的な見直しが行われていない「かずさアカデミアパーク事業」の早急な見直しも改めて求めました。
この問題も、継続して厳しくチェックしてまいります。
3.日本振興銀行の破たんについて
9月10日、日本振興銀行が金融庁に経営破綻を申し入れました。バブル期に、公金で銀行の債務を保護することが、物議をかもしましたが、日本振興銀行の経営破たんでは、預金の元本1000万円とその利息までしか保護されないペイオフがはじめて発動されました。
日本振興銀行と取引のあった県内業者が、新規に融資が受けられず、経営に支障が出る事態が起こりうるため、適切な支援をしていくよう、要望しました。
4.医療ツーリズムについて
前回に引き続いての質疑です。海外(特に中国を中心とするアジア諸国)から、日本の高度な医療サービスを目的に渡航する「医療ツーリズム」は、日本の新たな観光資源として注目を集めており、各県がその市場シェアを確保しようと競い合いがはじまっています。
千葉は、成田国際空港という国内最大規模の「日本の玄関」を有するだけでも優位であり、また優れた医療機関も多数あり、保養地としても適した自然環境にも恵まれています。前回意気込みを聞いたところ「チャンスと捉えて検討して行きたい」ということでしたが、未だ具体的な動きが見えません。観光課から積極的に働き掛け、健康福祉部とチームを組んで、引き続き検討していくよう求めました。