もう1か月も前のことになるのですが…(報告が遅くてすみません!)。
県議会の「千葉県資源・エネルギー問題懇話会」の視察で、県外視察に行ってまいりました。
資源・エネルギー問題懇話会は、超党派の議員で構成され、千葉県の資源やエネルギーの活用法を話し合う組織です。
県外施策の行先は、九州。九州は資源・エネルギーの利用に積極的な施策をとっている自治体が多数あります。1泊2日の視察日程では、ちょっともったいない。移動にかかるエネルギーを有効活用するためにも、民主党県議の有志と1日前に出発し、2泊3日で視察してきました。
+アルファ日程の一行は、まず、初日に、全国的に深刻な小児科医不足に陥っているなか、小児救急に積極的に取り組んでいる熊本の地域医療センターを視察したのですが、これは、今回のテーマ「資源・エネルギー」とは、別のものなので、また別の機会にご報告します。
二日目の視察は、北九州市のリサイクルポートからスタート。
北九州では、あらゆる廃棄物を他の産業分野の原料として活用し、最終的に廃棄物をゼロにすること(ゼロ・エミッション)」を目指し、資源循環型社会の構築を図る事業を推進し、注目を集めています。
環境・リサイクル産業の振興を柱とする「北九州エコタウンプラン(経済産業省と環境省の承認)」を策定し、北九州市全域において具体的な事業に着手しており、そのひとつがこのリサイクルポートという訳です。ここでは自動車や家電のリサイクル工程を視察しました。
なんといっても、産業分野の廃棄物ゼロに取り組んでいるわけですから、それはもう徹底した再利用・再資源化が行われています(写真は車のリサイクル)。理念の確立された事業は、非常にわかりやすく、具体的な落とし込みもしやすいからでしょうか、どの工場も施策にそって積極的に取り組む気概に満ちており、全国のモデルケースになりうるものだと感心しました。
次いで、大牟田市のエコタウン事業の視察へ。ここで、千葉県資源・エネルギー問題懇話会の本隊と合流しました。
大牟田市も北九州と同じく、環境省と経済産業省の承認を受け、「ゼロ・エミッション構想」を地域の環境調和型経済社会形成のための基本構想として位置づけている自治体です。
ここでは、エコを軸とした交流拠点「エコサンクセンター」を視察し、その後大牟田リサイクル発電所に移動、大牟田市のエコタウンの中核的な取り組みである「ゴミによる発電」という、究極のエネルギー化を目の当たりにしてきました。
大牟田リサイクル発電所は、参加市町村で製造されたRDF(Refuse Derived Fuel/ゴミ固形化燃料)をエネルギーに発電を行っている施設です。この発電システムには、近隣の28市町村で構成される7組合が参加しており、自治体を横断した環境施策であることも特徴です。
1日に315トンのRDFを燃焼することにより、20,600kW(約3万世帯相当)の発電出力を達成し、ゴミ発電では全国最高レベルの発電効率約30%を実現しているそうです。
こちらも、モデルケースになる施設でした。
一夜あけて向かったのは、大分県の八丁原地熱発電所。
この発電所は、東と南を阿蘇くじゅう国立公園の九重連山、西側を耶馬日田英彦山国定公園の山々に囲まれた、高原と温泉の町にあります。この温泉の地熱を、エネルギーとして利用し、発電を行っています。
地熱発電所の数は、全国で20ほどありますが、八丁原発電所は、1号機2号機あわせ112,000kWの発電量を誇る最大の電力供給を行っている施設です。
温泉地という立地を活かして地熱発電を行うことは、エネルギーの効率利用という点で有効ですが、いかんせん立地に依存しますので、「我が千葉県でも」という訳にはいかなそうです。
県を遠く離れ、強行軍の3日間でしたが、県外の先駆的な資源・エネルギー施策におおいに刺激をもらえた視察になりました。