故郷、弁天の秋祭り。
今年も私は、焼きそばの売り子を担当させていただきました。
小さいころから何かとお世話になっている近所の方々の中に身を置くと、自分が普段よりも頼りなくなったように感じると言おうか、幼くなったように感じると言おうか、こども返りしたような不思議な感覚になります。
おそらく、小さいころにしかられたり、助けていただいたり、世話を焼いていただいた思い出が、そうさせるのでしょう。人生の先輩方が、あの頃と少しも変わらない保護者としての眼差しで「けんちゃん」と呼んでくれる場所が、私にあること。その幸せをかみしめました。
私が、こどもの頃は、まだ「若い街」だった弁天は、市内で最も高齢化が進んでいる街。今後ますます、高齢化が進行するのは、確実です。
一軒家を維持できず、空き家になった家もちらほら見られるようになり、変わらないように思える、いや、変わらないと思っていたい故郷に、時が変化を与えた現実を私につきつけています。
いつまでも住み慣れた街でお元気に暮らしていただくことが一番ですが、現実には、介護問題や独居のお年寄りの孤立など、さまざまな問題が起きており、行政の支援が必要だと感じています。
高齢化が進んだ街の空き家を活用して、小規模な介護施設(デイサービス、グループホームなど)を整備している自治体の事例もあるようです。市内では、美浜や東野、入船など、弁天と同じように、高齢化が進んでいる地域が点在しており、そうした事業の早急な検討・導入が必要だと感じます。
住み慣れた街で、変わらず幸せに暮らしていただくために、変わっていく街の現実に向き合うことが、必要だと強く感じています。