先月25日に開幕した「ゆめ半島千葉国体」が、熱い戦いの11日間を終え、昨日閉幕しました。
何年も前から大会準備を行ってこられた大会運営関係者の方々、また、大会を支えてくださったボランティアの方々、花で通りを飾ったり、ゴミ拾いをするなど、「おもてなし活動」に参加された県民の方々、本当にお疲れ様でした。
千葉国体の事業費は、2008年までの準備に6億800万円、2009年には10億7800万円、2010年度予算は49億8400万円で、合計66億7000万円。財政が厳しい千葉での開催とあって、「県、市町村の負担を抑えた」(森田知事)とされていますが、国の交付金も含め、かなりの税金が投入されています。国体は、お金には代えられない意義があることですが、費用対効果という視点でこの事業を見てみることも、県政をチェックする立場の私には必要です。
過去のデータをみると、国体の経済効果は
2009年 / 新潟大会 621億円
2008年 / 兵庫大会 470億円
2008年 / 秋田大会 1060億円
2007年 / 大分大会 523億円
と試算されています。
千葉国体の経済効果は322億円(ちばぎん総研試算)で、例年より低い金額となりました。これは、都市部での開催であったことから、競技場、宿泊施設など、大規模な施設整備が少なく、建設費等直接的な経済効果が低かったことによるものですので、一概に例年と比べて「低い」と批判することはできません。投資:経済効果でみると、2.65倍になり、まずまずの、費用対効果があったと言うことができるでしょう。
しかし、経済効果の算出は、施設整備費、大会運営費、飲食費、宿泊費など、直接的な工事費や需要増と、こうした直接的に利益を得る企業からの資材発注など、二次的需要増(経済波及効果)を積算するもので、将来的な、波及効果は、含まれていません。
私は、この将来的な波及効果をどう高めるか、持続するかが、重要だと思っています。
国体へは、日帰り客が140万人、宿泊客が約27万人の計約167万4千人が入場したともいわれています。こうした方々に、再度千葉に来てみたいと思わせることができたか、また、今後、再度千葉に来ていただけるような、提案をすることができるかで、観光需要の拡大を期待できるでしょう。
千葉には、選手団の強化合宿に適した施設も多数あり、選手団へ継続的な働きかけもできると思います。
また、今回、千葉の選手団は、都道府県別の男女総合2921.5点、女子総合1325.5点を獲得し、初めて男女総合優勝(天皇杯)と女子総合優勝(皇后杯)を同時に達成するという、成果を出しています。
こうした成果をこの大会だけに終わらせず、維持していくこともまた、スポーツに強い千葉として、都市間競争のプラス要素になるに違いありません。継続した、スポーツ振興施策も必要だと思います。
ゆめ半島千葉国体のスローガンは、「今房総の風となり この一瞬に輝きを」ですが、国体をひとときのお祭りに終わらせず、将来につなげていくことが重要です。