東京五輪まであと2年余り。複数の競技が開催される千葉県も準備を進めています。開催に向けた会場整備、選手団の滞在施設など、直接的な準備だけでなく、交通の利便性向上、インバウンド対応、バリアフリーの推進など、千葉県という都市のあり方を、大きく見直すチャンスでもあります。
今回の一般質問でも、観光と障がい者スポーツについて取り上げ、五輪を契機に千葉の可能性を最大限に拡げるよう、提言しました。
その内容について、ご報告します。

◆◇◆観光振興について
道路整備の進展を近隣観光客誘致に
五輪開催による観光振興は、海外からの訪問に限ったことではありません。むしろ近隣地域から「気軽に行ける観光地」として認知されることは、観光産業の安定化という観点からも非常に重要です。
千葉へのアクセス利便性の向上を最大に活かし、積極的に集客を行うよう求めました。
◆◇◆長期滞在促進・東京湾活用
観光課題の解決を急げ
千葉県では、周遊型・滞在観光客の増大を観光対策の課題と捉え、取り組んできています。
以前から提言している東京湾ツーリズムは、昨年度の実証実験に基づき、事業者が海上観光を始めています。この結果も踏まえ、五輪に向けた東京湾の積極的な観光活用を要望しました。
◆◇◆室内競技の練習拠点
障がい者スポーツレクリエーションセンターの環境改善を
東京五輪のパラリンピックでは、県内で4競技が行われます。
千葉市稲毛区にある県スポーツ・レクリエーションセンターは、障がい者アスリートたちの練習拠点であるものの、以前から要望されている環境改善がなかなか進んでいません。
障がい者スポーツ団体や浦安市からも要望が出ていることを指摘し、空調設備一台からでも、できることから着手する必要があります。
◆◇◆千葉県経済にいて
既存産業振興と新規産業支援を同時に
強い経済は、千葉のポテンシャルを支える基礎体力とも言えます。
現在の本県経済の状況は、個人消費が緩やかに持ち直しつつあることなどから、緩やかな回復傾向にあるといえそうです。、長年千葉の経済を牽引してきた京葉臨海コンビナートを中心とする素材・エネルギー産業は、の国際競争の激化でかつての活力を失いつつあり支援が必要であると指摘しました。また、経済発展のためには、新たな産業の創出が必要であり、県の考えを確認しました。「健康・医療分野を中心に、育成を図って行く」(森田知事)ということ。既存産業の存続と新規産業育成を図り、千葉の「強い」経済を維持・発展させるよう引き続き取り組んでまいります。
◆◇◆働き方改革について
働き方改革へ 中小企業の支援を
千葉経済センターが県内企業を対象に、働き方改革の取り組み状況を調査しました。
その結果、。その結果、大手企業の約6割が改革に取り組んでいるものの、中小企業では2割弱であることが判明。県はどのように中小企業の取り組みを促進していくのか質問しました。
取り組みが進まない理由として「知識、情報、人材、資金の不足が考えられる」との答弁。「セミナー開催、アドバイザー派遣、シンポジウム開催、策定中の『第4次ちば中小企業元気戦略』に重要施策として盛り込む」(商工労働部長)などして促進を図るとのこと。
県内企業の99・8%を占める中小企業の取り組みなくして、千葉の働き方改革が進む訳がありません。支援を積極的に行い、ワーク・ライフ・バランスがとれた県民生活を実現するよう要望しました。
◆◇◆重症心身障害児の支援について
障害児通所支援事業所拡充に県の支援を
重症心身障害児や日常的に医療的ケアが必要な児童・生徒を受け入れる通所施設が全国的に不足しています。県の見解を問いました。「3月の国の指針では、重症心身障害児に適切な療育支援を行うため、市町村又は圏域での確保を目標にしている。現在市町村が計画策定を進めており、それを待って適切な療育支援を受けられるよう検討する」(健康福祉部長)とのことでした。利用者が使いやすい施設をつくるという観点を踏まえ、支援するよう要望しました。
◆◇◆東葉高速鉄道について
県天下り社長より現役職員の登用を
日本一の負債額を抱える鉄道第三セクター東葉高速鉄道。自立に向けた計画的な経営支援と、思い切った経営改革が必要です。、県OBが慣習的に社長に天下るのなら、いっそのこと、バリバリ働ける現役職員を派遣してみてはどうかと提言しました。予想どおり、変える気のない答弁でしたが、この経営体質こそが、東葉高速鉄道のリスクだと私は考えています。今年3月に10年続いた集中支援期間が終了しましたが、未だに長期収支計画が策定されず、新たな支援策が決まっていない状況です。これが民間企業なら考えられない「甘さ」と指摘せざるを得ません。社長人事も含め、引き続き、粘り強く経営改革を求めてまいります。