15日から開幕する6月議会の議案説明がありました。
前回の臨時議会に引き続き、今議会でも、震災関連の補正予算案が提出されます。
5月臨時議会では、被災者の生活再建支援、インフラの復旧、産業の再生・復興、学校施設・社会福祉施設などの復旧・修繕、原子力発電所の事故・電力不足への対応・震災に係る調査等に、合計528億7千万円の補正予算が組まれました。
今回の補正予算案は、328億1千9百万円。その内訳は、下記の通りです。
1.放射性物質の総合監視体制の整備
2.電力供給不足・省エネルギー対策
3.被災者、商工業者・農業者へのさらなる支援
4.医療施設等の復旧
5.震災に係る調査や災害の予防7千4百万円
6億5千万円
307億8千3百万円
1億2千9百万円
11億8千3百万円
福島第一原発の危機的状況が長引く中、「放射性物質の総合監視体制の整備」として、新たな予算が組まれたことは、一定の評価に値すると思います。
この予算で、畜産物、農林水産物の検査体制を強化するほか、本格的な海水浴シーズンに向け、海中の放射能濃度の測定も始められます。また、市町村から要望が上がっていた大気中の放射線量測定のため、携帯型の測定器(サーベイメーター)を35台購入し、市町村に計画的に貸し出す事業が行われます。
「電力供給不足・省エネルギー対策」では、信号のLED化を推進するため予算が上積みされたほか、県庁のLED照明化をすすめる予算や、介護福祉施設への自家発電装置導入の助成、中小企業には、節電装置(LED照明、太陽光発電機など)や停電時に備えた自家発電機の導入が助成されます。また、一般家庭が太陽光発電を導入する際にも、助成金が支給されます。
「被災者、商工業者・農業者へのさらなる支援」では、中小企業の資金繰りを支援するため、金融機関への県の預託金を300億円増額することで、融資枠を現行の4,800億円から5,700億円に拡大する措置を取る予算のほか、失業者対策として緊急雇用創出事業に、4億2千万円を増額、更に、高齢者や障害者を支援する「地域支えあい体制づくり事業」に、2億6千4百万円を増額補正するとしています。
「医療施設等の復旧」では、震災によって被害を受けた公的医療施設以外の救命救急センターの復旧助成や、県の総合スポーツセンターの復旧費に加え、警察署・交番の復旧事業が組み込まれており、その中に浦安警察署の地盤沈下・外構の復旧工事費1千5百万円が入っています。
「震災に係る調査や災害の予防」では、東日本大震災で発生した津波や各市町村の被害、それに対する対応について、調査・検証し、災害対策の見直しをするための予算などが計上されています。
この調査検証を踏まえ、24年度には「地域防災計画」「地震防災戦略」などの見直しが行われます。
今回、補正であげられた事業の中で、私は、「震災に係る調査や災害の予防」に注目をしています。震災からこれまで、起きてしまった災害に対応するのに精一杯だった千葉県が、未来に目をむけはじめたことを感じます。
今回の補正の財源は、「災害復興・地域再生基金」の取り崩しで賄われますが、9月以降も大幅な補正が必要と見込まれており、今後の財源確保が大きな課題となってのしかかっています。
慎重に審議したいと思います。