来年の県知事選挙を控え、森田県政二期目の総決算に入っている県政。過去最大の約1兆7千億円の当初予算も可決され、華々しい事業への投資が目立ちます。一方、県債残高も過去最大を記録し、県民一人当たりの借金は約50万円という現実。県民の生活を守る基本の施策の充実こそ、県の発展の基盤という視点で、委員会質疑を行いました。以下抜粋でご報告します。
◆◇◆水道管管路耐震化の進捗
浦安埋め立て地域の耐震化率は未だ18%
地震の際の埋立地域のライフラインの脆弱さは、東日本大震災から5年たった今も、記憶に新しいところです。震災後立ち上げた復興対策特別委員会からはじまり、ライフラインの課題解決のために進んで所属したこの総合企画水道常任委員会でも再三要望してきたこと。それが「管路耐震化」です。
これまで質疑で浦安埋め立て地域の水道管耐震化の進捗を確認してきましたが、2011年が約10%、14年16.4%、そして今回は18.1%という結果でした。
県は、2024年を目途に、主要管路や重要施設への管路を100%耐震化、2040年までに、湾岸埋め立て地域全域の耐震化を完了する計画をたてています。
ほんの数%ずつしか進まない水道管耐震化。それだけ大きな事業であるのは理解しています。しかし、安全な水の確保は、災害時は特に、県民の命に係るものとなります。早期整備を求めると共に、計画の遅延がないように、厳しく確認してまいります。
◆◇◆ホームドア設置について
事故防止のために整備支援を
JRや地下鉄などで整備が進んでいるホームドア。転落などによる人身事故防止、それによる運休や遅延の防止につながる有効な設備です。
都内では良く見るようになりましたが、県内ではあまり見かけません。整備状況を確認したところ、「つくばエクスプレス5駅、ディズニーリゾートライン4駅、東武野田線の柏駅、船橋駅の計11駅が整備されている」(交通計画課長)とのこと。一般の駅は、ほぼ未整備と言っていい状況です。
2011年に国は、利用者10万人以上の駅にホームドア又は、内方線つきの点状ブロックの整備をするよう方針を示しています。それを受け、県では、13年から補助制度を設け、整備促進を図っているとのこと。しかし、補助金を利用したホームドアの整備は、野田線の柏・船橋の2駅のみ、利用者10万人を超える残り15駅は、ブロック設置での対応となるそうです。
県内では、年間多数の人身事故で、命が失われています。また、県民の足にも多大な影響があり、ホームドア整備を急ぐ必要があります。
県、国の支援強化も含めた推進を働きかけてまいります。
◆◇◆その他の質疑
計画や予算内の金額の精度向上を
委員会では、2016年度の特別会計上水道事業会計予算と、30年に渡る千葉県水道局長期施設整備方針についても質疑を行いました。
特別会計予算では、企業債の起債金額190億円についての根拠を確認。長期施設整備方針については、当初10年の事業費は算出するものの、その後の20年間は、予算数値がない計画であることを指摘。概算を入れ、5年、10年スパンで見直して行くことを提言しました。