先月、民主党の有志で、千葉県内の特色のある学校の視察に行きました。
まずたずねたのは「幕張インターナショナルスクール」。「国際性を伸ばし世界で活躍する人材を育成する」ため、今年4月に開校した幼稚園・小学校一貫学校です。設立形態は、私立の学校法人ですが、経済界や行政(千葉県・千葉市)も組織に加わっています。
この学校では、千葉国際教育特区の認定により、国語以外の教科はすべて英語で(イマージョン教育*)行い、英語科、インターナショナル科、アート科、情報科、ライフデザインなど、一般的な幼稚園・小学校にはない授業を行うことができます。
*イマージョン教育とは、「日本語以外の言語で行う教育プログラムで、「英語を学ぶ」ではなく「英語で学ぶ」という点がポイントとのこと。
現在、約170人の児童が通っていますが、いずれも帰国子女か、両親とも、または両親のいずれかが外国籍のこどもたちだそうです。授業料は、年間120万~150万円(!)ですが、この学校にこどもを入れたいと、地方から引っ越して来たご家庭もあるのだそうです。
国際都市幕張にはふさわしい学校のように思えましたし、千葉の教育に注目を集めるという効果も期待できそうですが、行政が多額の税金(県の出資は4億円)を投じてやる事業かどうか、やや疑問が残りました。
次いで行ったのは、昨年、県立千葉高校に併設された千葉中学。開校初年度は、80名の定員に2165人の志願者(倍率 27.1倍)を集め、話題となりました。二年目の今年も、昨年よりはやや落ち着いたものの16.6倍の人気でした。
写真は、参観させていただいた国語の授業。「コンセンサスゲーム」というプログラムが行われていました。
コンセンサスゲームは「無人島で遭難したときにどうするか」をテーマにチームの合意を形成しながら、12個のアイテムの優先順位をつけて行くもの。それぞれの考えを聞きながら、意見をひとつにまとめていき、より良い結果を得るシュミレーションだそうです。
ゲームの最初に、話し合う上でのいくつかの注意点を先生が生徒に説明していましたが、「自分の考えを相手に伝え、安易な妥協はやめましょう」という注意に、心の中で大きくうなずいてしまいました(このゲームを県議会全員でやってみたらおもしろいかも…)。
こうした先進的な取り組みを、市町村の公立中学に広げるべきだと思いました。
最後に行ったのは、県立生浜高校。この学校では、一昨年から、全日制に加え、3部制を導入しています。3部制は、朝から昼間、昼間から夕方、夕方から夜間の3部の授業時間帯があり、生徒はいずれかの時間帯をコアに受けながらも、他の時間帯の授業も受けることができる柔軟な制度。就労などさまざまな事由がある生徒が、単位制で高校を履修可能な点が特色です。
それぞれの生活スタイルに応じて学ぶ時間を選べるこの制度は、こどもたちに広く高等教育の機会を与える点が評価されており、全国の定時制に広がってきているそうです。
3校それぞれの特色があり、良い勉強になりましたが、今度は、一般的な千葉の教育の課題を見出す視察もしてみたいと思います。