県立高校全校にエアコン設置へ
今年の夏は大変な暑さでした。今は、季節が秋から冬へと変わりつつあり、日増しに寒くなってきていますので、あの暑さを忘れてしまった方もいらっしゃるかもしれませんが、酷暑とまで言われた今年の夏が、今までにない暑さだったことは間違いありません。
そこで、クローズアップされてきたのが県立高校へのエアコン設置です。現在、千葉県の県立高校は123校有りますが、そのうち普通教室へエアコンが設置されているのは103校です。一見低くない数字のように思えますが、問題は誰が設置費用を負担しているかということです。本来は県が全額負担するべきですが、設置校103校のうち県費で設置されているのは、わずかに5校、残りの98校は保護者負担によって設置されています。
県費負担の5校は成田空港周辺等で騒音対策での設置ですので、特殊要因がない高校については、県費負担はゼロという現状です。これに対して県議会でも県費での設置を何度も求めてきました。
しかし、県はこれまで検討していくと繰り返すばかりで実現してきませんでした。この間、子ども達に少しでも良い環境で授業を受けさせたいと思う保護者が、県の対応を待てずに独自に設置をしてきました。その結果、エアコン設置のために、保護者は毎月平均約995円を負担しています。
このような状況の中、県もようやく重い腰を上げました。先月まで開催されていた9月定例県議会で、森田知事は、今年の夏の災害レベルの暑さを踏まえ、生徒の熱中症予防、安全確保に万全を期す必要があるため、来年夏へ向け、全ての県立高校の普通教室に県費でエアコンを設置する意向を表明しました。
また、設置済みの高校については、今後リース料等を県が支払うことを検討する方針も明らかにしました。これも、保護者負担で先行して設置した高校と、これから県費で設置する高校との公平性を考えれば当然の対応です。
一方、普通教室以外と言われる職員室や進路指導室等の管理者室にエアコンが設置されている高校は現在31校で、今年度中に設置予定が4校、計35校となりますが、それでも88校が未設置という状況です。県はこれまで毎年5校程度ずつエアコン設置を進めてきましたが、今後、設置のペースを速めていく方針です。
今回の県の対応は遅きに失した感はありますが、これまで私も含めて県議会で要望を続けてきた経緯を考えれば、大きな前進と言えます。
今後は、この方針が予算化されて、全ての県立高校にエアコンが、きちんと設置されるように、引き続き県の対応を注視して参ります。
平成30年11月14日
矢崎けんたろう