台風15号の千葉県の対応について
先月9日の台風15号、今月12日の台風19号は千葉県を含む東日本地域に甚大な被害を与えました。台風でお亡くなりなられた皆様に謹んでお悔やみ申し上げますと共に被害に遭われた皆様に心よりお見舞い申し上げます。

さて、台風15号における県南地域の被害は大変大きなものがありました。私も鋸南町や市原市に行きましたが、鋸南町では、ほとんどの家屋がブルーシートに覆われ、災害ゴミも山のように積み上げられていました。市原市ではゴルフ練習場の鉄柱が住宅に倒れている現場を行き、住民の方から、早く元に戻して欲しいとの切実な声をお聞きしました。
一方で今回の県の対応が適切だったのかという批判が出ています。今月10日まで行われていた県議会でも多くの議員から質問が出されました。しかし、知事や県からの明確な回答は有りませんでした。そこで、まず事実を時系列で書いてみます。
9日
5時前 台風15号、千葉県に上陸
8時前 千葉県を中心に最大約93万戸が停電
10日
4時 県が最初の自衛隊要請
9時 県が災害対策本部を設置
12日 県が自治体に初の県職員派遣
14日 森田知事が南房総市など被災地を初視察
これを見てもわかる通り、多くの県内自治体が台風上陸前後に災害対策本部を設置する中、県が災害対策本部を設置したのは上陸翌日。しかも当日、知事は県庁に登庁せずに県庁近くにある知事公舎で情報収集、指示を出していたとのことです。
さらに県議会の総務防災常任委員会の質疑で明らかになったことですが、当日、担当である防災危機管理部長が知事とは直接連絡が取れずに秘書課を通してやり取りしていました。本来であれば、気象庁が過去最大級の台風上陸の可能性を予告していたわけですから、事前に災害対策本部を設置するか遅くとも当日には設置して知事が登庁して陣頭指揮を執るのが当たり前だと思います。この点は県議会の一般質問でも問われていましたが、知事は「情報収集、応急対応はしている。」、防災危機管理部長も「速やかに報告した知事の指示で応急対応した。本部設置前にも必要な対応をしていた。」と答弁。初動対応の遅さを認めることはありませんでした。
しかし、多くの被災自治体の首長からは県よりも、国や県外自治体の方が早く動いてくれた。県にはもっと早く動いて欲しかったとの声が多数上がっており、初動対応の遅さが被害の拡大、長期化に繋がったことは否定できないと、私も考えています。
県は台風15号を巡る対応を検証するプロジェクトチームを立ち上げました。さらに有識者による検証会議も設置される予定です。まずは県の今回の対応を正確に検証して、課題を明確にすることが大切です。その上で課題解決に取り組み、今後の災害対応に活かしていかなければなりません。私も県の防災力向上のためしっかりと取り組んで参ります。
令和元年十月二十一日
矢崎けんたろう