9月議会がはじまりました。今回提出された議案は、補正予算を中心にした24議案。年初から145億円の財源不足でスタートしている訳ですから、予算の使い方については、特にじっくり精査しなければなりません。
冒頭の挨拶で、堂本知事は
「当初予算編成段階で見込まれた145億円の財源不足は、今回の補正予算において、地方交付税等が約60億の増となったことから、90億円に減少することができました」
と述べていましたが、
その明細はというと…
A:当初予算編成段階での財源不足 ↓ B:9月補正段階での見込み(収支の改善) <プラス要素> 地方交付 前年繰越金 職員人件費(退職金を除く)の減 減収補てん債 その他の歳入増 <マイナス要素> 9月補正における歳出増 県税収入減 今後の追加財政需要 C:9月補正予算編成後の財源不足(A+B) | -145億円 +55億円 312億 60億円 23億円 15億円 210億円 4億円 257億円 -24億円 -197億円 -36億円 -90億円 |
という状況。「90億円に減少することができた」という実態に、愕然としました。
県税収入の減見込みは、なんと197億円。不景気や原材料高騰にあえぐ中小企業や漁業・農家などの喘ぎが見えるようです。県が<プラス要素>としている中で、突出して額が多いのが「減収補てん債」。210億円にもなります。
減収補てん債は、国が見積もった税収額を下回ったときに、発行できるいわゆる「赤字地方債」。もともとは建設事業にしか使えなかったのですが、今年2月の法改正で、財政が厳しい地方自治体が「当座のしのぎ」にも使えることができるようになったもので、長期的な「借り入れ」に変わりはありません。結局は、問題を先送りにしただけではないでしょうか。
19年度決算見込みで、県債の金額は1689億5千2百万円にもなります。今年もまた、その金額に「将来へのツケ」が上乗せされることに…。それでもまだ90億円も足りない現実。当初予算編成時の、145億円の財源不足より、更に状況が悪化していると思うのは私だけでしょうか。