平成22年の国勢調査によると、千葉県の高齢化率(65歳以上の人口比率)は、21・5%、全国で7番目に少ない比率でした。千葉は、全国2番目の急激なスピードで、これから一気に高齢化が進行して行くと予測されており、その変化に、行政の対応が追い付いていない現状があります。
全国どこの都道府県でも、県民アンケートの「力を入れてほしい施策」では、必ず上位に「医療」が入ります。高齢社会の進行は、そのニーズをますます高めることになることは、言うまでもないでしょう。

医療は、安心・安全な都市基盤をかたちづくるものであり、医療提供体制の整備は都道府県が中心的な役割を担うとされています。しかし、従事する医師、看護師の数が、全国平均を大幅に下回る現状で、千葉県はその役割を果たしているとは言えません。
先日、千葉県看護協会の協力のもと、訪問看護の現場を視察させていただきました。
「住み慣れた家で最期まで暮らしたい」。在宅医療のニーズの高まりで、訪問看護の需要は、年々大幅に拡大しており、ここでも看護師の確保が切迫した課題となっています。
「訪問看護の現場では、看護師が日々、命に向き合っており、やりがいも大きいが、それだけ負担も大きい」と、視察を受け入れてくれた看護師さんが話していました。視察では、訪問看護先のご家庭にも同行させていただきましたが、きめ細かな対応に、医療は施設や機器ではなく、人が担うサービスであることを再認識させられました。
医療に携わる人材の育成にも、負担の軽減にも、そしてスキルアップにも、人の確保が大前提にあります。豊かな医療の整備は、人材なくして果たすことはできないことを、県は、厳しく認識しなければなりません。