先月のことになりますが…。
千葉県資源エネルギー問題懇話会の視察で、茨城、栃木に行ってきました。「千葉県資源エネルギー問題懇話会」は、昨年、こちらの記事「資源・エネルギーがテーマの視察報告」でも、書いたように、超党派で結成された、千葉県の資源やエネルギーの活用法を検討する組織です。
昨年の視察では、九州へ行き、エコタウンリサイクル発電所、地熱発電所など、「エコ」をテーマの視察をしました。今回は、実際に千葉に電力を供給している発電所の状況の視察をしてきました。
初日、最初に行ったのは、茨城県の常陸那珂火力発電所。首都圏の電力需要に対応するため、常陸那珂港北埠頭に建設された大規模な火力発電所です。
石炭を燃料にしている発電施設で、2基の発電設備で、最大出力100万キロワット。25年完成を目指して、二号基も建設されています。
この発電所の特徴は、運転による環境負荷を最小限にとどめるため、さまざまな工夫をしていること。
集塵機、フェンスなどの設置で、大気汚染の抑制に努めているほか、使用後の石炭灰は、新規埠頭の埋め立て用にリサイクルされます。
一夜あけて、翌日は、栃木県日光市の今市発電所へ。
今市発電所は国内最大中の揚水式水力発電所です。揚水式水力発電とは、上部ダムから下部ダムに水を落とし、その摩擦によって電力を発生させ、その後下部ダムから上部ダムへ揚水します。揚水には、電気を使用しますが、この発電所は、関東エリアの電力需要のピークをカバーするための発電所であるため、水を戻す作業は夜間に行い、出力低下を防いでいます。
例年を上回る酷暑となっている今年、一般家庭の消費電力量も大幅に増えることでしょう。
常陸那珂発電所、今市発電所の存在は、首都圏の安定的な電力供給にかかせないものでしょう。地球温暖化により、今後ますます「暑く」なることが予想される中、発電効率のアップに努めるとともに、安定運転をしていただきたいと思います。