千葉県に求められる歳入増の戦略2
交通の利便性向上
「通勤・通学アクセスの良さ」が1位
大手不動産仲介会社が行った新居選びに関するアンケートです。新居のある街を決めた理由の第一位は、「通勤・通学アクセスが良いから」で、賃貸・購入共に、60%を超える人が理由にあげています。
前回このコーナーに、「県の歳入を支えている個人・法人の県民増こそ財政立て直しの鍵」と書きました。
しかし、千葉の人口動向は、厳しい局面を迎えています。震災前の県の推計では千葉の将来人口は、2017年の626万2千人をピークに緩やかに減少し、2025年には617万2千人になると予想されていました。それが、震災後の社会保障・人口問題研究所の推計では、2011年から減少を続け、2025年には598万7千人にまで減る見込み。実に185万人もの差になります。
この人口減は、税収減に直結するのはもちろんですが、消費・生産など、住民による経済波及効果も見込めず、千葉全体の活力低下につながります。
そこで、人口を確保する戦略として、どの街に新居を構えるかの決め手となる交通網の利便性を、俯瞰的に見直してみる必要があると、私は考えています。都内をはじめ、隣接県の昼間人口の動きを分析し、その流れを県内に誘導できる方法はないのか検討。また、私が取り組んできたテーマである、りんかい線・京葉線の相互乗り入れなど、物理的に可能な路線の延伸を積極的に推進すること。更に既存の路線で、運行本数の増加や、運休・遅延防止策など、利便性向上策を鉄道会社と検討していくことも有効と考えます。
交通は都市基盤そのもの。利便性の向上は、新規住民だけでなく、既存住民、産業、観光にとっても、重要です。