6月11日に開会した6月議会。2期目の締めくくりとなる今回の一般質問は、その小さな一歩の積み重ねを距離として見返すことができるものとなりました。以下抜粋でご報告します。
一歩一歩を 距離にする努力
「ひとつのことを1000%改善することよりも、1000のことを1%ずつ改善することを望む」経営危機の企業を救った社長が、立て直しの際に、従業員に語りかけた言葉です。
県政にかかわって7年半、行政も同じように、同時に発生しているさまざまな課題を、少しずつ前に進めていくことが求められる組織であり、粘り強くその1%の進捗を確認することが重要だと考えてきました。
◆◇◆京葉線・りんかい線相互乗り入れ
実現に向け強いリーダーシップを
約8年前、私が初出馬した当時は、主要施策のひとつであるこの「京葉線・りんかい線相互乗り入れ」の話をすると、「そんなことができるのか」と半信半疑に受け止められる方が多かったように思います。今では、「いつごろ実現になりますか?」「どこまで直通でいけますか?」という反応。この大きな施策が歩んだ距離を物語っています。今回の一般質問でも、再度、森田知事に県の認識と取り組みを確認、
「相互直通運転の実現は、東京湾岸地域の一体的な発展にとって重要と認識している。関東知事会議や9都県市首脳会議で、実現に向けた国への要望を提案し採択されている。引き続き国に要望するとともに、鉄道事業者の理解を得られるよう、広域的な連携を検討していきたい」(森田知事)との答弁でした。
行政という組織の歩幅は小さくても、知事は、アクアラインのETC料金800円を実現した時のように、時に大胆な一歩を踏み出すことが可能なはずです。この件についても、リーダシップを発揮し、実現を目指すよう強く要望しました。
◆◇◆孤独死対策について
危機感を持った対策推進が必須
2010年に松戸市の常盤平団地を視察して以来の私のテーマです。団地は、一斉入居の後、居住者が同時に歳を重ね高齢化していきます。常盤平団地も、住民の3分の一以上が高齢者となり、誰にも看取られず亡くなる方が相次いだことを契機に、孤独死を防ぐ、さまざまな活動を展開してきました。
千葉県の現在の高齢化率は23・8%、6年後の2020年には27・4%、2030年には31・9%に達すると予測されています。常盤平団地の状況は、いまや全県の問題。コミュニティ形成を柱とした孤独死防止策が必要です。現在の取り組みとして「『しない・させない・孤立化!』を合言葉に、県は高齢者孤立化防止活動『ちばSSKプロジェクト』を展開している。今後もこの活動を広めていきたい」との胸を張る知事。しかし、県政の世論調査結果によると、「SSK」の認知度はわずか1割程度という状況です。
実は、孤独死の定義ができていないため、実態の把握が難しいという現実があります。何をもって「孤独死」とするのかを定めない限り、原因解明も防止策も、また、数値目標や行動計画も明確さを欠くことになるでしょう。定義づけを行い、実効力のある対策を取っていくよう引き続き働きかけてまいります。
◆◇◆ニューフィルハーモニーオーケストラ千葉について
経営改善で楽団の魅力発信
2008年、はじめて団員の方から相談を受けたときは、予算を削減され、存続の危機に陥っていたニューフィル千葉。再構築計画に沿って再生を進め、累積赤字を解消するまでに再生してきました。その計画も昨年度で終了。千葉県民が誇るオーケストラとなるための次のアクションがはじまっています。
「今年度から3年間の中期経営計画として『ステップアッププラン2014』を策定。38人のオーケストラ体制の早期確立や演奏拠点の整備、新規演奏会の獲得を図っていく」(環境生活部長)という説明を受けました。
「文化は社会的インフラ」です。予算削減を旗印に、この県民の楽団を解散に追い込むようなことがないよう、ポリシーを持って、再生→活性化→自立化への道を支援すべきと活動してきました。再生の道を、県民、スポンサー、ファン、団員、行政が、共に歩んできた結果が、今のニューフィル千葉の姿なのです。