県議会には、8つの常任委員会があり、毎年委員会に所属する議員の選出が行われます。6月議会の閉会日に改選があり、私は文教常任委員会の所属になりました。
文教常任委員会は、「教育施策、県立学校、教職員の福利厚生、生涯学習、文化財、博物館、体育に関すること」を所管とする委員会。
千葉県内でも突出して子育て世代が多い浦安市選出の議員として、千葉の教育を議論する場に身を置けることは、大きな意味があることと、身が引き締まる思いがしています。
知識重視から経験重視に大きく舵を切った「ゆとり教育」は、重大な学力低下を招く結果となりました。「失われた10年」からの教育再生は、国を挙げて取り組んでいかなければならない、我が国の最重点の課題です。
子どもたちを「受験戦争」から救い、学校の教育現場を「ゆとり」あるものにして、不登校を減らすはずが、未だ深刻な状況。文部科学省の調査(平成22年度)では、公立中学校で37人に1人の割合で、学校に行けない生徒が存在しています。 また、現在の教育制度では、小・中学校で留年することはほとんどなく、学習の理解度に関わらず、15歳で義務教育を終えたとされてしまいます。学力不足のまま入学した高校で、授業についていけず、長期欠席や中退につながってしまうケースも起きています。そうした生徒たちが自立の道を閉ざされ、大きな社会問題となっている引きこもりやニートになってしまう可能性は、高いと言わざるを得ません。
こうした状況を背景に、県教育委員会では、「千葉県教育の戦略的ビジョン」を掲げ、ビジョンを達成する手段のひとつとして、キャリア教育などを地域の企業や地元市町村、地域住民などと連携して行う「アクティブスクール」制度を導入しています。2009年9月議会では、一般質問で取り上げ、若者の自立に役立つこうした教育の拡充を積極的に推進していくよう、要望しました。
今年度は、授業に追いつけない生徒を対象に、わからなくなった時点から勉強をし直す「学び直し」も実施しているようです。
学校は勉学を教える場所であるのは当然のことですが、人生を学ぶ場でもあるはずです。「何もできない」、「ダメだ」という状況から、どうやって再起を果たせばいいのか、学び直しを通じて得る経験は、非常に重要なものになるでしょう。
「道に迷ったら、迷った時点に戻ってもう一度歩き出せばいい」、人生には、挑戦のチャンスが無限にあることも、合わせて学び取ってほしいと願っています。