一昨日、所属している商工労働企業常任委員会が開かれ、付託されている議案について審議を行いました。
今回私は、
●かずさアカデミアパークについて
●県の外郭団体「産業支援センター」の不正経理問題について
●医療ツーリズムについて
●企業庁新経営戦略プランの策定状況について
の4点を質疑しました。
以下、内容を抜粋してご報告いたします。
●かずさアカデミアパークについて
今年一月、事実上の経営破たんをした県の第三セクター「かずさアカデミアパーク」は、現在民事再生手続きが進められていますが、破たんによる県の損失は約60億円以上とされ、今6月議会の補正予算にも、金融機関が保有している県保証の債権を買い取る予算として、約7億9千億円が計上されています。
厳しい財政状況が続く中、こうしたつけを、税金で負担せざるを得なくなった事態を、当局は、しっかりと検証・総括し、同じ失敗を繰り返さないよう、再発防止につなげる責任があると考えます。
しかし、前任の部長や課長も県の責任については言及せず、「結果を真摯に受け止める」、「その時点その時点で適切な判断を行ってきた」の繰り返し。「起きてしまったことは仕方がない」という、無責任な姿勢が垣間見えます。
第三者機関による調査を行い、その結果を発表するなどの対応をとるよう、強く要望しました。
が、今回の答弁では「どのような形で検証するかは、まだ考えていない」とのこと。破たんから半年以上が過ぎ、いまだ、一連の経営破たんの検証の仕方を検討すらしていない事実が露呈しました。再度検討を行うよう求めました。
また、再生に向け、スポンサー候補から、事業計画書と出資額が提示されていますが、その評価は、株式会社かずさアカデミアパーク内の検討委員会で行われています。
その構成を聞いたところ、同社の専務、県の商工労働部次長、弁護士、公認会計士、コンベンション・観光の専門家の計5名で行っているそうです。スポンサーが提示した事業計画任せにするのではなく、例えばアクアラインが800円でなくなった場合など、悪い条件下でも経営がなりたつのかどうか、という視点で、評価を行うことが重要であると提言いたしました。
更に、そもそもこの「かずさアカデミアパーク」構想は、今から26年も前の、昭和59年に策定されたものです。結果としては、当初の構想とは、大きくシナリオにずれが生じています。これまでの見直しの経緯を聞いたところ、
「構想自体の見直しは行っていないが、区画の小規模化や緑地率の引き下げなど事業推進の手法自体は見直してきた。今後も社会情勢の変化を的確にとらえ、対応していく」という答弁でした。
これまでの見直しが的確でなかったために、このような事態を招いたという反省が感じられない答弁を受け、手法など部分部分ではなく、構想全体の見直しを要望しました。
この事業見直しについては、6月補正予算の付帯決議とすることを民主党が発議し、常任委員会で全会一致で可決されました。この付帯決議の報告は、別記事でさせていただきます。
●県の外郭団体「産業支援センター」の不正経理問題について
昨年発覚した40億円にも上がる不正経理問題は、膿を出し切ることなく、中途半端なまま事態の収拾が図られてしまったと私は思っています。今年2月議会では、自民党を除く各会派が、調査の3か月延長を求める発議をしましたが、最大会派の自民党が賛同せず、否決されました。病巣を残したまま、蓋を閉じてしまっては、組織を正しく健全に変えるチャンスを棒にふるようなものだと、悔しさをこのブログに綴ったことが、思い出されます。(→不正経理関係の記事はこちら)
5月28日、県の外郭団体の16団体で、平成15年~20年の間に、約7650万円の不正経理があった事実が公表され、その悔しさが、まざまざと蘇りました。
委員会では、統括対象である「千葉県産業振興センター」の不正経理について、質疑しました。
不正経理は、いつから行われていたのか聞いたところ、「15年からは把握しているが、それ以前は調査していない」ということ、また、それは、どのように引き継がれてきたのかも、どのような担当者がそれを行ってきたのかも、明確には調査されていない模様。不正経理が行われてきた一因として「補助金の使い切りがあったのではないか」という、表面上の分析に終わっているようです。
補助金の使い切り、予算の使い切り、このお役所体質が、根本的な問題であるのは、周知の事実。使いきりの姿勢の見直しを含め、再発防止を強く求めました。
●医療ツーリズムについて
海外からの旅行者が、日本の高度な医療機関で人間ドック等の検診や診療を受ける「医療ツーリズム」が、我が国の新たな観光資源として注目を集めています。
来月1日から、中国人に対するビザ発給用件が緩和されることを背景に、今後ニーズの高まりが期待されるなか、国際空港を持つ千葉県の考え方を聞いてみました。
観光課長より「ひとつの切り口としてチャンスととらえている。健康福祉部と連携をして、医療ツーリズムを検討していきたい」との答弁がありました。市町村との連携については「宿泊滞在型の補助制度を創設したところ、市町村からモデル的な医療観光の企画案があがってきている」とのことです。取り組みを進めるよう要望しました。
●千葉県企業庁新経営戦略プランの策定状況について
千葉企業庁の土地造成整備事業が、平成24年度に収束することを踏まえ、現在、「企業庁新経営戦略プラン」の見直しが行われています。今回の改定のポイントと、改訂後のプランの公表時期について聞きました。
改訂のポイントは「景気低迷を受けた収支見通しの見直し」、「分譲収入確保のための具体的な方策」、「市町村との関係や清算の仕組み」の3つになるとのこと。公表は、7~8月になるとのことです。
企業庁の事業収束は、まだ未処分の土地が残っている浦安にも、大きく関わりがあることですので、今後もその動きを注意深くチェックして参りたいと思います。
以上、委員会質疑の報告でした。