一般質問が終了しました。今回も、遠く浦安から、足を運んで傍聴していただいた皆さまに、感謝申し上げます。
何度立っても、やはり緊張する壇上で、地元の方々のお顔を見つけた時の安心感は、私の大きな力になります。本当にありがとうございます。
以下、一般質問のやりとりのご報告です。
1.知事の政治姿勢について
新しい千葉の総合計画(案)「輝け!ちば元気プラン」にからみ、施策の具体性のなさや数値目標の曖昧さを指摘し、計画のとりまとめの過程や、数値目標の設定の経緯などについて聞きました。
「この総合計画の数値目標に掲げた項目は、政策分野ごとに、県民・市民活動団体・企業・市町村などの多様な主体と共有し、力を合わせて実現を目指すべき「社会目標」となるもので、定量的に把握できるものを選定した。
このため、行政側の視点にたった事業量の目標よりも、県民の視点に立った目標の設定を重視し、県政に対する世論調査などを活用した社会目標についても盛り込んでいる。」
とのこと。自分が何を聞いたのか、一瞬わからなくなるような答弁です(笑)が、要するにこの計画は、県民・市民活動団体・企業・市町村が力を合わせて実現するものであり、数値目標は、行政側の視点である事業ごとの目標ではなく、県民にわかりやすい、社会目標(県民の満足度や定住意向など)で測定できるものにした。ということでしょう。
ならば、この総合計画が各事業に落とし込まれたときには、県が果たすべき明確な数値目標を設定していただかなければなりません。「満足している人の割合を00%上げる」という社会目標を、どんな事業で、何をどれだけ増やす(又は減らす)ことで果たすのか、それをはっきりさせない限り、森田県政が実現しようとしている「日本一の県」、「元気な県」、「輝く県」の姿は見えそうにもありません。今後の計画の動きに注視して行きたいと思います。
さらに、この総合計画には、動物愛護についての施策が見当たりません。千葉県は、動物愛護センターで処分される(殺されてしまう)犬猫の頭数が、毎年全国のワーストランキング1~3位に入っています。森田県政の発足直後の昨年6月議会でこの件をとりあげ、「本腰を入れて、減らす努力をするとともに、知事が先頭に立って、啓発活動を」と要望した者としては、総合計画に動物愛護が盛り込まれていないのは、納得できません。
答弁では、「20年に『千葉県動物愛護管理推進計画』を策定し、29年までの10年間で動物愛護事業の目標を設定している。総合計画は、『選択と集中』で策定しており、動物愛護に関する施策は、含まれていないが、個別計画である推進計画に基づき各種事業を行う」とのことでした。森田知事就任前に策定されたこの推進計画には、当然ながら「知事が先頭に立った」啓発活動などは盛り込まれていません。再度、知事のネームバリューを活用した積極的なPRを求めたところ、「何ができるか検討して、知事にお願いしていきたい」との健康福祉部長の答弁を引き出しました。
森田知事が先頭に立って「日本一」を目指す千葉県。ワースト日本一が危ぶまれる課題は、動物処分頭数に限らず、交通事故死者数や医療の充実度、投票率など、他にもあります。聞こえのいい事柄ばかりでなく、そうした汚名返上も、県が取り組むべき重要な施策です。
2.京葉線とりんかい線の相互乗り入れについて
私は、京葉線の通勤ラッシュ緩和のために、りんかい線との相互乗り入れを提言してきました。県の取り組みを聞いたところ、「JRは、相互乗り入れついて、目的地駅でりんかい線経由か、東京駅経由か判別できず、東京臨海高速鉄道間の運賃が加算できないこと、京葉線の増発に多額の設備投資が必要であることから、困難であるとしている。JRには、検討を深めるよう、粘り強く働きかけを行いたいと考えている」ということでした。
課題は、多いにせよ、幕張、舞浜、お台場、大井など、観光やビジネス拠点が多い、東京ベイエリアを直通で結ぶことは、千葉湾岸エリア住民や通勤客に限らず、広範囲の地域・利用客に大きな利益があるはずです。より一層の働きかけを要望しました。
3.東葉高速鉄道について
こちらも、千葉県の不名誉なランキング。全国1の赤字第三セクター鉄道である東葉高速鉄道。私は、これまで長期経営計画の抜本的な見直しと、トップの民間登用を再三求めてきました。今回の質問でも、「計画は適切であり、県が責任を持って運営する姿勢を内外に示すためにも、民間人登用は時期尚早」という答弁でした。
長期経営計画は、50年後という長いスパンの計画であり、県の出資が平成29年に終了した時点で、経営が健全化されるのか(ずるずると税金を投入し続けることにならないか)、より厳しい精査が必要だと感じています。3年ごとの見直しがされていますので、長引く不況や、加速している少子高齢化など、悲観要素もきっちり見込んで見直ししていくべきと提言。トップの民間登用に関しても、再度要望したところ、「『東葉高速鉄道自立支援委員会』で委員の意見も聞いて行く」ということです。トップが民間人になれば、万事OKと言っているわけではありません。より厳しい視点での現状把握能力や実効性の高い経営健全化のアイデアなど、民間のセンスが求められていると思います。
今後も「しつこく」取り組んでまいりたいと思います。
4.ニューフィルハーモニーオーケストラ千葉について
支援が減り危機的状況だったニューフィルハーモニーオーケストラ千葉。再構築計画が立てられ、常任指揮者も決まり、自立経営に向け、一歩ずつ歩みを進めています。その進捗確認のため、質問を行いました。(→関連記事)
今回の「一歩」は、団員の増員。8名の新団員を募集し、オーディションにより3月末には新団員を決定、「増員により、社団法人・日本オーケストラ連盟の加入が可能となり、室内楽などの依頼演奏会の増加や各種助成金の獲得が期待できる」ということです。
最初にニューフィルに関わったのは、2008年2月。2年前のあの状態から、今日までを思うと、一歩ずつの積み重ね によって、ずいぶんな距離を歩んで来たように思います。団員やサポーター、県の担当者、みなさんの力が成し遂げてきた再構築への道のり。今後も見守っていきたいと思います。
5.食の安全について
県民からのご相談をきっかけにした質問です。検査機納入の遅れで、輸入加工食品の検査が、遅れていましたが、その後の対応で、3月末までに計画していたすべての検体の検査を終える見通しであることがわかりました。
検査の遅れは、食の安全という観点から、あってはならないことでありますので、再発防止を要望しました。
以上長くなりましたが、一般質問の報告でした。
この内容は、議会報告「矢崎REPORT」にも掲載する予定です。ブログをご覧いただいている方には、既読の内容になってしまうかもしれませんが、ぜひ、手にとってお読みいただければ、幸いです。