先月の末の読売新聞の記事に、「財政難 文化削る病弊」という見出しの提言記事が掲載されていました。
文化功労者で劇作家の山崎正和氏が、大阪の橋下知事が財政再建策のひとつとして、大阪センチュリー交響楽団などを運営する文化振興財団への補助金停止や博物館の統合または廃止を検討していると発表したことを受けて、「文化行政の”せん滅作戦”」と、批判している内容です。
記事中には「道路や医療や教育と同じく、文化は基本的な社会インフラである」という言葉や、震災の瓦礫から「文化立県」を目指して立ち上がった兵庫の事例など、山崎氏のひとかたならぬ文化への情熱を感じるとともに、共感できる部分が多々ありました。
このブログでも、財政難を錦の御旗に支援を縮小されている「ニューフィルハーモニー千葉」のことに触れてきました。断っておきますが、私は、無策のまま、補助金を垂れ流しにすればよいとは思っていません。明確な目的を持って、ニューフィルハーモニー交響楽団を、真の県民オーケストラとして、復興させるべきだと思っています。教育、医療、地域振興、ふるさとづくり、オーケストラが、県の様々な施策のために役立てることは、多々あります。それを理解できる優秀なプロデューサーを雇い、民からも公からも、安定した公演依頼が来るような楽団に育てることが、もっとも望ましい解決策だと信じています。
記事は、こんな言葉で結ばれていました。
「『貧すれば鈍す』は、ひとり関西の問題ではない。財政難といえば文化を削るのは、この国の体質的な病弊なのである。」
ひとり関西の問題ではない…。
なんとかしなければ。