ロシア・ウクライナ戦争、中東情勢、台湾有事への脅威など、国際関係が緊張感を増しているのを背景に、自民党は昨年12月、防衛費の対GDP比を1%から2%へ倍増させることを決定しました。2023年度から27年度の5年間の防衛費総額は約43兆円となり、その財源の一部として、法人税、所得税、たばこ税の増税を検討するとしています。
急激な物価高騰で苦しさを増している庶民の生活。税負担・社会保障の負担は収入の45%を超えているなか、驚くようなスピードで防衛費を上げ、国民に負担を押し付ける。こんなことを納得できる国民がどれだけいるでしょうか。
自民党総裁選では、茂木氏が、防衛増税はしないことを政策にあげていました。茂木氏は、自民党の中枢・幹事長だったわけですから、増税はしなくても防衛費を確保できる確信があってのものではないかと思います。
しかし衆院選公示日の15日、石破首相は防衛増税の時期について、「年末の税制改正の際に決める」と発言しています。
日本の安全保障の強化は、非常に重要な課題です。しかし、防衛力だけが安全保障ではありません。
外交も安全保障上の大きな意味を持ちます。紛争や戦争に突入した国の国民が、どんなに悲惨な日々を送っているか、私たちはまさに今、報道を通じて目の当たりにしています。どれだけミサイルを配備しても、どれだけの戦車をつくっても、それらが使われる事態になれば、多くの国民の命が失われることになります。立憲民主党は「平和創造外交」を展開し、紛争の平和的解決の重要性を訴えていくことを公約に示しています。
また、食糧政策も安全保障上、重要なテーマです。年々減る従事者と農地の課題に真正面から取り組み、農業の継続や新規就農に繋がる所得補償など、新たな直接支払制度を構築します。
防衛費に関しては、やみくもに予算を上げている感が否めない現状では、果たして本当の防衛力強化につながるのか疑問です。まず使途を精査し、きちんと積み上げる必要があります。まずは、定員に満たない自衛隊員の処遇を改善することが急務。災害時も身を賭して救助・復旧に当たる隊員に報いることができるよう報酬などを見直すとともに、新たな人員確保に取り組みます。