先月末、党の先輩が、ニューフィルハーモニーオーケストラの実情について、担当者から話を聞くというので同席させてもらいました。
というのも、ニューフィルハーモニーオーケストラの代表名で、支援を求める手紙が、私のもとへも届いているからなのです。
ニューフィルハーモニーオーケストラ千葉は、県、市、県内企業の出資で1985年に財団法人として設立され、小中高等学校音楽鑑賞教室や定期演奏会など、地域に根ざした音楽活動を続けてきました。1996年には、第1回NHK地域放送文化賞受賞するなど、実力のあるオーケストラとしての地位を確立してきたようです。しかし、近年になって、特に小中学校などからの公演依頼が激減し、経営状況が悪化。破綻が取りざたされた平成18年には、団員の賞与の全額カットを行い、翌19年には、賃金35%をカット。現在残っている楽団員15名の平均年収は、約260万円程度という厳しい状況に陥っています。それに、追い討ちをかけるように、財団は、楽団員の雇用形態を終身雇用から三年単位の請負契約・出来高払い制に変換する案を提示。楽団側と真っ向から対立しています。
オーケストラ存続のため、大幅な賃金カットに応じてきた楽団員としては、赤字のつけをすべて団員の賃金にまわすやりかたに納得できないことでしょうし、県としては厳しい財政状況の中、赤字団体に補助金を出し続けることができない事情もあるでしょう。
ここから、私個人の意見です。党として、この問題に対する統一見解が出ていませんので、勇み足になるかもしれませんが、それを恐れずに申し上げると…。
私は、ニューフィルハーモニーオーケストラに、期限を区切って補助金を増額することで、広報活動予算を確保したり、楽団プロデュースの専門家を雇用するなどし、「存続」という消極的なものではなく、「再生」する方向にしていくことが望ましいと考えています。
その根拠として、
●ニューフィルに関するアンケートで、県民の52.6%が、補助金を拡大すべきとしていること(減少を望む声は9.8%)。
●楽団員の待遇を現状維持としたとしても、契約・出来高制としたとしても、今の中途半端な状況で、最低限の補助金を拠出し続けたところで、赤字経営から脱却することは難しいと思われること。
●千葉の文化振興、教育への貢献、あるいは福祉(音楽療法、慰問)への貢献など、県の施策に係るニューフィルの存在意義が考えられること。
●専門の楽団プロデューサーにかかれば、黒字転換の可能性も考えられなくはないと思われること。
●現在の県費負担は約1憶9百万(18年度)程度であり、例外なき財政再建とはいえ、他に削るべき事業が多々あること。
などがあげられます。
どうも、公演依頼が減少した→賃金をカットする→楽団員の就労日数が、規定の半分ほどしか満たしていない→請負契約に…とマイナスへマイナスへと、舵取りをしているような気がします。
財団側と楽団側が、プラス思考で解決策を考えていく方法はないのものでしょうか。
たとえば、就労日数が少ないなら、駅前コンサート、アマオーケストラや部活動との積極的な交流、病院・福祉施設などでのミニチュアコンサート、結婚式や式典への派遣などなど、さまざまな場所で、無償あるいは有償で活動を行い、知名度を高めることで、ファンを獲得するなどアイデアがいろいろあると思うのは、素人考えですか?
現在のホームページも、無料スペースを利用した広告付きのもの。こうしたものにも、きちんと予算をかけ、法人会員のバナー広告を掲載するようなことをすべきだと思います。現行の法人会員は、1口 10万円(税込み)で、年間20枚のチケットをもらえるのみ。企業名の紹介すらありません。これでは、福利厚生にしかならないでしょう。企業の社会的活動の一部として、ニューフィルの支援を活用してもらえるような方向に転換すべきだと思います。
「ニューフィルハーモニーオーケストラ千葉を応援しています」という広報素材(ロゴタイプ、ステッカーなど)を用意する。自社ブランドに使用してもらう(「ニューフィル饅頭」とか・笑)など、やれることはあると思います。
ニューフィルが、どんな理念を持って音楽活動をしていくのか、千葉県民にどう貢献していくのか、明確にした上で、ぎりぎりの存続ではなく、その存在意義を最大限に活かす再生の道はないのか。私も、探ってみたいと思います。