国の将来が危ぶまれるほどの少子化であるのにもかかわらず、物価高騰の中、子育ての負担は増すばかり。
「2人目が欲しいけれど少し待っている」、「3人目はあきらめた」、あるいは「子どもが欲しくても、産むのをためらっている」などの声も聞かれます。事実、人口問題研究所が行った調査によると、女性が35歳未満の夫婦の77%が、「理想の子ども数を持たない理由」として、「子育てや教育にお金がかかりすぎるから」と回答しています。
子育てや教育に金がかかる。
産休や時短などで収入が下がる。
キャリア形成に影響する。
保育園への入り辛さ、子育てや家事の負担、プレッシャーやストレス、孤立などメンタル面での不安。子どもを持つことで生じるこれらの「マイナス」面を「チャイルドペナルティ」(子育て罰)と呼ぶのだそうです。子育てを自己責任として家庭に担わせ、子どもを持つお母さんお父さんに寄り添わなかったことで生まれた、なんとも悲しい価値観だと思います。
以前から私は、子育てを社会全体で支えて「チャイルドペナルティ」を「チャイルドプライズ」にしていく必要があると提唱してきました。
私も地元で家庭を持ち、2人の娘を育てました。子育ては喜びの連続で、振り返れば、なんとも幸せな日々でありました。経済的な理由で産まない選択をする。そんなことはあってはならないのです。
日本の子育て支援予算の対GDP比は約1.8%、少し向上したものの、未だ先進国最下位レベルです。少子化が改善されているフランスでは3.6%と日本の2倍。少子化に取り組む本気度が現れています。日本の特殊出生率は1.39、フランスは2.0、改善できる事例がすでにあるのです。
出産育児一時金や児童手当の増額、教育の無償化など金銭的な支援と、男女ともに産休を取りやすくする支援、子育ての孤立を防ぐ行政サービスの拡充など、予算がしっかり当事者に届く施策で、少子化を改善していきます。

