
先日、フリーアナウンサーの江田亮氏の講演を拝聴する機会がありました。講演タイトルは「ギャンブル依存症を理解する」〈誰でもなる、どこにでもいる〉〜見えない損失を企業の利益に〜です。
CBCテレビで人気アナウンサーとして活躍されていた江田氏は、ギャンブルにより労働組合の資金を横領し、その結果、解雇や離婚を経験されるなど、人生のどん底に直面されました。しかし、その背景には「ギャンブル依存症」というれっきとした病気があることが明らかとなり、その後は人生を立て直され、現在は同じように苦しむ方々のために啓発活動に取り組んでおられます。
当日は、同様の問題に直面しながらご家族を支えている「全国ギャンブル依存症家族の会」の皆様も多数来場されていました。
ギャンブル依存症は、特別な人だけの問題ではなく、誰にでも起こり得る身近な問題です。例えば、「最初は数千円の軽い気持ちで始めたネット投票がやめられなくなる」「負けを取り返そうとして借入を重ねてしまう」「家族に隠れてスマートフォンで深夜までギャンブルを続けてしまう」といったケースは決して珍しくありません。近年では、著名人やスポーツ関係者による問題も報じられ、社会的関心も高まっています。
また、スマートフォンの普及により、競馬や競輪、オンラインサービスなどがいつでもどこでも利用できる環境となっています。通勤中や自宅にいながらでも簡単にアクセスできる利便性の裏側で、依存を深めやすい環境が広がっていると言えます。そのため、対策は喫緊の課題です。
こうした状況を踏まえ、一次予防(発生予防)として「教育・啓発活動」「環境整備・規制」「相談・支援の周知」を推進するとともに、二次予防として「早期発見(スクリーニング)」「早期介入(早期治療・早期相談)」「進行予防」にも一層取り組む必要があります。例えば、学校教育の中で依存症に関する正しい知識を伝えることや、相談窓口の周知を徹底することが重要です。
特に重要なのは、当事者や周囲の人々が、ギャンブル依存症が脳の病気であるという認識を正しく持つことです。例えば、「本人の意思が弱いからだ」といった誤解があると、問題を隠してしまい、対応が遅れてしまいます。一方で、病気として理解されていれば、家族や周囲が早い段階で声をかけ、専門機関につなげることが可能になります。
今後、日本においては大阪でのカジノ開業も予定されており、ギャンブル依存症の増加が懸念されています。こうした事態を防ぐためにも、政府には対策の一層の強化が求められますが、我が国の取組は予算規模、内容、財源のいずれにおいても欧米諸国と比べて十分とは言えません。
政府には、ギャンブル依存症対策の抜本的な見直しと強化を強く求めます。
そのような中で、江田氏や家族会の皆様による啓発活動は極めて意義深いものです。私自身も千葉県議会議員時代から本問題に取り組んでまいりましたが、引き続き、一人でも多くの方にギャンブル依存症について理解を深めていただけるよう、全力で取り組んでまいります。
