
憲政史上初となる常任委員長解任という、一つの歴史的現場に立ち会いました。私は、財務金融委員会に所属し、その井林辰憲委員長に対し、本会議で記名採決の結果、衆議院では初となる解任が可決されたのです。
今回の解任動議のきっかけは、「ガソリンの暫定税率の廃止」を提案する、野党提出の法案でした。国民各層の家計の窮迫は、火を見るより明らかな昨今です。ガソリンの値下げを早急に実現できれば、車に乗る方々の生活を目に見えるかたちで支援できるのは当然のこととして、運輸コストの軽減から、その他の物価にも好影響を与えることが期待できます。
そこで野党7党は、「7月1日からの本税の廃止」法案を共同で提出していました。しかし、自民党は近付く国会の会期末をいいことに、逃げ切りをはかり、審議入りを拒みました。本来このような憲政の常道に反する議会運営を軌道修正し、正常な審議入りを実現するのが、井林委員長の大事な役割でした。しかし自民党から出た委員長自身も消極的で、法案提出後約10日間も法案は「放置」されました。
国会の仕事の本道は、審議を尽くすことにあるはずです。提案内容に反対するなら、審議の場には出てきて、堂々と反論をすればいいはずです。そこでやむなく、正常な委員会運営を求め、委員長解任動議の提出に至ったのです。
そもそもガソリンの暫定税率とは、道路財源の確保を目的に1974年に導入されたものです。このように、まさに暫定的に上乗せをされたものであり、その後、2009年には一般財源化され、課税根拠を喪失したにもかかわらず、今日に至るまで実に50年以上にわたり、国民はその負担を求められてきました。
また本税の廃止は、自民党・公明党の与党自身も、その必要性を認めていたものであり、そのことは国民民主党の幹事長との間でかわされた、廃止を明記した合意文書もあり、暫定税率を廃止する責任がこの時から生じていたはずであるのに、今回の審議入り拒否の方針です。
無責任とは、このことであると感じました。加えて、現下の緊迫する中東情勢を踏まえれば、今後ガソリン価格がさらに高騰するおそれもあります。
その後、野党がまとまった結果誕生した阿久津幸彦新委員長のもとで審議を行い、衆議院ではガソリンの暫定税率廃止が可決されました。
残念ながら参議院では与党が多数のため採決が行われず廃案となりましたので、この件については参議院選挙の争点のひとつとして実現に向けてさらに頑張ってまいります。
